米国株投資のメリットは、投資の知識や経験がなくても「長期的に積立を続けるだけ」で資産形成ができる(可能性が高い)ことです。
それには個別(企業の)株で運用するのではなく、ETFや投資信託と呼ばれるインデックス投資を実践するだけなので、特別な知識も経験も不要なのです。
ここでは米国株の長期インデックス投資にお勧めのETFを紹介していきます。
長期インデックス投資にお勧めのETF
ETFの取引には手数料が必要ですが、現在は最低手数料が撤廃されたので、以前より少額から気軽に投資ができるようになりました。
ETFでは運用に掛かる費用(信託報酬)は投資信託より安い商品が多く、分配金を受け取ることもできるので、投資信託より投資をしている実感が得られる気がしますね。まぁ分配金には税金が発生するので、その点はデメリットになりますが。
米国株ETFには優れた商品がたくさんありますが、とくに万人向けの商品を紹介します。
VTI
VTIは米国の上場企業ほぼすべてを対象(約3,500社)に投資ができるETFで、信託報酬は年率0.03%という破格の安さ。
配当利回りは記事作成時点(2020年5月)で約1.86%で、税引き後1.33%ほどになります。NISA口座で保有していれば国内課税はされないので、約1.67%になります。
目を引くような利回りではないですが、VTIは分配金の増加はもちろん、株価の上昇に大きな期待ができるETFです。米国を代表する企業というのは、世界を代表する企業と言っても過言ではありません。
そんな企業の株主になれるVTIなら、長期で保有するだけで十分なリターンに期待できるのは間違いないでしょう。
これ一本だけ持っていれば問題ない!と思われるくらい非の打ち所がない商品なので、これ以上僕が言うことはありません(‘ω’)
なお、投資信託の楽天・全米株式インデックスファンドは、このVTIを楽天の投資信託運用会社が買い付けて運用する商品になっています。
直接VTIを買い付けるより、間に楽天が入ることで信託報酬が高くなるのは当然ですが、投資信託は100円から買える気軽さがメリットですね。
VT
VTは全世界を対象に投資ができるETFで、信託報酬は年率0.08%とVTIには及ばないものの安いですね。
全世界株式への投資は究極の分散投資とも言えますが、その弊害として低成長の国の企業までカバーすることになり、これまではVTIよりリターンが劣っているのが事実です。ただ、今後も同じようになるとは言い切れないので、より分散させた投資をしたい場合は、有力で優良な商品で間違いありません。
配当利回りは約2.58%、税引き後で約1.85%となります。NISA口座なら約2.32%、VTIに比べると、やや高くなっています。
米国だけで大丈夫と考えるのか、いやいや世界全体へ分散したほうが安心と考えるかは人それぞれ。投資のスタイルは千差万別なので、どちらが正解・不正解ということはありません。
なので、他人にそれはやめとけ、これにしろ!と言われても、気にせず自分の道を突き進むのです!もちろん、長期的な成長が見込める対象へ投資していることが前提ですよ。
VDC
VDCは米国の生活必需品セクターに投資ができるETFで、信託報酬は年率0.10%とやや高くなっていますが、比べる基準がおかしいだけで十分安いと言えるでしょう。
生活必需品は不景気でも人々が必要とする商品なので、売り上げが落ち込まず安定した利益を得ることができます。そのため、株価の下落相場に強いと言われます。
2020年に世界を襲った新型コロナウイルスによって株価が暴落したとき、VDCはその真価を発揮しました。
VTIやVTが直近の高値から20%ほど下落しているにもかかわらず、VDCは10%程度の下落で済んでいます。最も下げた時期でも、VTIが37%ほどの下げに対し、VDCは24%ほどで持ちこたえており、株価下落に強いと言われることを証明しました。と言っても下がるときは下がりますけどね。
配当利回りは約2.54%、税引き後で約1.82%、NISA口座なら約2.28%となります。
組入銘柄の上位にはP&G、コカ・コーラ、ペプシコ、ウォルマート、フィリップモリスなど、世界的大企業が名を連ねており、生活必需品セクターはこれまで投資家に大きなリターンをもたらしてきました。今後もそうなることに期待したいですね。
VYM・HDV
VYM・HDVはどちらも米国の高配当銘柄に投資ができるETFで、信託報酬はVYMが年率0.06%、HDVが年率0.08%です。高配当銘柄に投資する両ETFですが、その中身は全然違います。
VYMは399銘柄、HDVは75銘柄で構成されており、VYMのほうが広く分散されていることになります。ただ、配当利回りはVYMが約3.44%、HDVが約3.96%と差があります。
HDVは回転率(銘柄の入れ替え)が高いと言われており、頻繁に売買するのはリターンの低下を招くとされているので、それがどう影響するかですね。
もちろん、HDVの運用が大成功する可能性もありますし、どちらのリターンが高くなるかを事前に知ることは不可能なので、あまり気にしても仕方ないでしょう。
高配当銘柄は基本的に成熟企業が多いため、株価の上昇にはそれほど期待できないと言えます。全く上昇しないわけではないので、分配金の多さでどこまでリターンを高められるかがポイントでしょう。
VYMとHDV、どちらが良いかは正直わかりません。そのため、僕はどちらも保有しています。
SPY・IVV・VOO
SPY・IVV・VOOは、S&P500に採用されている米国を代表する優良企業へ投資ができるETFで、信託報酬は以下の通り。
- SPY…年率0.09%
- IVV…年率0.04%
- VOO…年率0.03%
それぞれの違いは、ETFを販売してる会社が違うだけです。投資の対象はすべて同じなので、今後のリターンに大きな違いはないでしょう。
信託報酬が高いぶん、SPYは少し不利かもしれません。他社に対抗して値下げしない理由が謎ですけどね。
SPYはもっとも設立が早いこともあり、運用資産額も3商品のうちで最大です。昔からの顧客がいることで、強気の報酬設定をしているのかもしれませんね。
配当利回りはSPY・VOOが約1.9%に対し、IVVはなぜか約2.3%と多くなっています。が、僕にはその理由がわかりません。
S&P500への投資は、投資の神様と呼ばれるウォーレン・バフェットすら太鼓判を押しています。
バフェットの場合、分散ではなく集中投資で成功を収めていますが、それは彼の眼力があってこそ。僕たちのような凡人は、優良企業へ広く分散投資し、それを続けていくことがもっとも重要だということです。
S&P500かVTIのどちらかに投資しておけば、株式投資はほぼ成功したと言ってもいいんじゃなかろうか?と思っています。
米国株投資におすすめのETFまとめ
おすすめのETFを一覧にまとめます。
商品名(ETF) | 信託報酬 | 投資対象 |
VTI | 0.03% | 米国の約4,000社 |
VT | 0.08% | 世界中の8,000社以上 |
VDC | 0.10% | 米国の生活必需品 |
VYM | 0.06% | 米国高配当株 |
HDV | 0.08% | 米国高配当株 |
SPY | 0.09% | S&P500 |
IVV | 0.04% | S&P500 |
VOO | 0.03% | S&P500 |
ここで紹介したETFは、いずれもメジャーで多くの米国株投資家がお勧めされる商品です。
雑誌の特集にあるような「人気の投資信託!」といったものはあてになりませんが、米国株投資をしている人は自分でしっかりと物事を調べ、実践している人が多いはず。そんな人たちから支持される商品は、本物である可能性が高いですよね。
選択肢が多すぎても選ぶのに困る「選択のパラドックス」というものがありますが、迷うくらいならVTIかS&P500、どちらかを保有しておけば大丈夫。
マジでサイコロで決めてもいいくらい、どれを保有しても20年・30年後には良い結果をもたらしてくれるでしょう。
投資は自己責任とは言いますが、情報を発信している身としては、その一言で片付けるのは少し無責任な気もします。
なので、これらの商品を保有し続けて、30年後に損をしていたらそのときは僕を責めてください。その代わり、利益が出ていたら1割ください。
ETFでの運用にはSBI証券がお勧めです。

長期インデックス投資なら、ほったらかしで資産形成ができます。

米国株のインデックス投資なら、買うタイミングを考える必要ありません。

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