第四のキャリアとして注目を集める楽天モバイルが、ついに料金プランを発表しました。
その内容は「月額2,980円で使い放題+300万人限定で1年間無料」と一見インパクトのあるものでしたが、詳しく見ると発表された時点の内容では微妙な感じ…
しかし、本格的なサービス開始にともないプランの内容が大幅に強化されたことで、微妙だと思っていた点が大きく改善されたました。
ここでは楽天モバイルのRakuten unliitの基本的なプラン内容や、注意点についてまとめています。
Rakuten Unlimit
楽天モバイルが提供するプランはたったひとつ、Rakuten Unlimitというプランです。
Rakuten Unlimitの特徴は以下の通り。
- 月額2,980円(税抜)
- 最低利用期間・契約解除料なし
- 楽天回線ならデータ無制限で使い放題
- au回線(パートナーエリア)は月5GBまで
- データの繰り越しはできない
- 超過すると最大1Mbpsの速度制限がかかる
- データ容量の追加は1GB500円
- 通話かけ放題(アプリ使用時)
- 海外から国内への通話かけ放題(アプリ使用時)
- 国内/海外から海外への通話はオプション要(980円/月)
- 先着300万人は1年間無料
- 事務手数料3,300円(税込)
月額2,980円で楽天の自社基地局による楽天回線であれば、データ無制限で使い放題&通話かけ放題ということで、三大キャリアもMVNOも真っ青の驚愕プランと言えます。
しかし、2020年4月時点で楽天回線に対応しているのは一部地域のみとなっています。
楽天回線の対応地域
現時点で楽天の基地局が対応している範囲は、東京・神奈川・埼玉・千葉・名古屋・大阪・京都などの一部のみということです。また、上記の地域でも、屋内などに入ればau回線に切り替わることもあるようです。
どちらの回線を利用しているかは、アプリを立ち上げないと分からない仕組みになっており、楽天回線だけに繋げるといった操作はできません。
「パートナー回線エリア」では、au回線を使用していることになります。au回線は月5GBまでなので、使い過ぎには注意が必要。知らん間に速度制限されちゃったぉ…となる可能性もありますね。
自宅を楽天回線にする楽天Casa
楽天Casaとは、自宅に小型の機器(楽天Casa)を置くことで、楽天回線のエリアでなくても楽天回線が利用できるようになり、通信の安定化が図れるものです。
ただし、利用には固定のネット回線である「楽天ひかり」の契約が必要。わざわざ固定回線を引いたり、回線を乗り換えてまで利用する価値があるかどうかは疑問があります。
通話無料にはRakuten Linkが必要
楽天モバイルでは、通話料やSMSなどもすべて無料と謳っていますが、これにはRakuten Linkというアプリを使用する必要があります。
Rakuten Linkはこれひとつで通話・メッセージ・SMSが行えるというものですが、最大の特徴はWi-Fi通信で通話ができるということ。
普通、音声通話はキャリアの電波が届くところでしか発着信できませんが、楽天モバイルならWi-Fiにさえ繋がっていれば通話ができます。
その仕組みは「RCS」という技術を使用しているからだそうですが、詳しいことは僕にはよくわかりません。
少し前から違うキャリアでも電話番号だけでメッセージが送受信できる「+メッセージ」という機能が提供されるようになりましたが、それもRCSのようです。
要はガラケー時代に親しまれたSMSが進化し、高機能なメッセージサービスとなり、楽天モバイルではそこに通話機能がプラスされたってことでしょう…多分。
楽天モバイルではRakuten Linkが必須となりそうですが、Rakuten Linkへの登録で、申込時の事務手数料相当額の3,300ポイントが還元されます。
なので、事務手数料は実質無料。さらに、6月30日までにオンラインで申し込みをすれば、3,000ポイントが貰えるようになっています。
楽天回線対応の端末を推奨
楽天モバイルでは、楽天回線に対応していることを確認済みの端末が掲載されています。以下、動作確認済みの端末名です。
- Arrows RX
- HUAWEI nova 5T
- HUAWEI P30 lite
- HUAWEI nova lite3
- OPPO Reno A 128GB
- OPPO A5 2020
- Reno 10x Zoom
- AX7
- R17 Pro
- Find X
- Galaxy A7
- Galaxy S10
- Galaxy Note10+
- AQUOS sense3 lite SH-RM12
- AQUOS sense3 plus SH-RM11
- AQUOS sense3 SH-M12
- AQUOS sense3 plus SH-M11
- AQUOS zero SH-M10
- AQUOS R2 compact SH-M08
- AQUOS sense2 SH-M08
- AQUOS sense plus SH-M07
- AQUOS R compact SH-M06
- AQUOS sense lite SH-M05
- Xperia Ace
- Rakuten Mini
赤文字にしたのが、楽天モバイルで販売されている端末です。AQUOSシリーズは似たような名前ばっかりで非常にややこしいですね。
一応、これらの端末以外でも使えることは使えるようですが、androidのバージョンが古いとRakuten Linkが正常に作動しないという報告もあり、最新バージョンでも端末が非対応だと作動しないかもしれません。
未確認の端末を利用するなら自己責任となりますのでご注意を。今ならネットでさまざまな端末で使えたという情報が調べられるので、事前によく確認しておきましょう。
iPhoneは非対応
現時点で楽天モバイルはiPhoneには対応していないそうです。
日本では端末シェアの半数を占めると言われるiPhoneですから、いずれ対応しないと話にならないと思いますが、それについては「申し上げられることはない」とのこと。
使えない理由としては、Rakuten LinkがiOSではダウンロードできないからで、SIMカードを差せばデータ通信はできるようです。
データ通信のみ無制限で使えればええわ、ということであれば使えることになりますが、そんな使い方をする人は稀でしょうね。
4月末の対応端末価格一覧
端末名 | 価格 |
OPPP AX7 | 19,000円 |
HUAWEI nova lite3 | 19,500円 |
Arrows RX | 20,800円 |
Rakuten Mini | 21,800円 |
Galaxy A7 | 22,800円 |
OPPO A5 2020 | 25,000円 |
HUAWEI P30 lite | 27,000円 |
AQUOS sense3 SH-M12 | 34,000円 |
AQUOS sense3 plus SH-RM11 | 35,500円 |
OPPO Reno A 128GB | 38,800円 |
OPPO R17 Pro | 39,000円 |
HUAWEI nova 5T | 49,999円 |
AQUOS sense3 plus SH-M11 | 51,430円 |
Xperia Ace | 54,800円 |
AQUOS zero SH-M10 | 69,800円 |
OPPO Reno 10x Zoom | 78,800円 |
OPPO Find X | 89,500円 |
Galaxy S10 | 99,800円 |
Galaxy Note10+ | 126,800円 |
AQUOS sense3 lite SH-RM12 | 不明 |
AQUOS R2 compact SH-M08 | 不明 |
AQUOS sense2 SH-M08 | 不明 |
AQUOS sense plus SH-M07 | 不明 |
AQUOS R compact SH-M06 | 不明 |
AQUOS sense lite SH-M05 | 不明 |
楽天モバイルならテザリングが無料
楽天モバイルではテザリングが無料で利用できます。
楽天回線の範囲内でテザリングを利用すれば、例えば外出先でパソコンを使ってブログを書く作業が高速通信で実質無料となります。つまり、通信エリアの問題さえクリアしていれば、WiMAXなどを別途契約する必要がなくなるということですね。
僕の場合、以前は格安SIMとWiMAX2+を契約して通信費は月額5,000円ほどでした。それが楽天モバイルでテザリングを利用すれば別端末を持つ必要もないし、月額料金も安くなる。めっちゃええやん。
現在住んでいるところが家賃にネット代が込みとなっているので、WiMAX2+は契約していません。なので、通信費は月が1,300円くらいです。
楽天モバイルにすると今と比べれば月額料金が上がりますが、外でも気兼ねなくブログ作業ができることを考えると、それだけの価値はある気はしますね。問題は、外出先にパソコンを持っていって作業をする勤勉さが僕にあるかどうかです(*´Д`)
楽天モバイルの既存ユーザーはどうなる?
MVNO時代から楽天モバイルで契約している方は、月額2,980円になると高くなってしまう可能性がありますよね。
しかし、既存のユーザーは現在の格安プランのまま、楽天回線へ移行できるようです。移行されるのは夏以降らしいので、それまでは今まで通りdocomo回線かau回線のまま利用することになります。
既存のプランで使い続けるか、Rakuten unlimitに移行するかは自由ですし、多少料金が上がっても高速通信が使い放題になるメリットを感じるなら、プランの移行も選択肢になりますね。
ただし、2019年10月以降に契約をした方はこの限りではなく、楽天回線に移行するときにはRakuten unlimitしか選べないそうです。
また、買収された旧FREETELとDMMモバイルで契約している方も同様で、これらの方は楽天モバイルに残るか、他MVNOへ移るかを考える必要があります。
この料金で利益が出るのか?
楽天モバイルは自社の基地局を持ちながら、果たして月額2,980円で利益を出せるのでしょうか?
僕の勝手な想像ですが、これはおそらく相当な薄利多売戦略ではないかと思います。
というか、楽天はスマホ以外にも様々な事業を展開しているので、スマホ事業に依存しなくて済みますから、そういった強みもあっての料金設定でしょう。
だからこそ、初年度は無料でも多くのユーザーを獲得しておきたいんだと思います。
現時点では不備も多いが、将来的には大きな期待ができそう
現時点ではデータ無制限となるのは限られた地域のみ、かといってau回線を使いすぎれば速度制限がかかる、対応端末の少なさなど不備が多いのは否めません。
しかし、2021年3月頃までには全国で楽天回線が対応するように基地局の整備を進めており、順調ならもっと早く実現される可能性もあるようです。
また、スケールの大きい話ですが、楽天では衛星通信技術の企業であるASTと業務提供しています。同社の技術が実現すれば、いずれ人工衛星を基地局とすることで、大都市・地方・山間部どこでも関係なく同じレベルの通信サービスが行えるようになるとか。
楽天モバイルが販売する端末は全てSIMフリーで、最低利用期間・解約の違約金もなし。プランは月額2,980円でいずれはデータ無制限となれば、多くの人が待ち望んだ「シンプルで分かりやすい契約」となりそうですね。
初期は通信が不安定になる可能性もありますが、いつまで経っても「△△割引適用で実質○○円!(ただし2年目からは▲▲円)」みたいなプランしか出さないキャリアに比べると、今回の楽天のチャレンジは素晴らしいと思います。
楽天モバイル「Rakuten unlimit」のまとめ
最後にRakuten unlimitの概要と注意点をまとめます。
- 月額2,980円(税抜)
- 最低利用期間・契約解除料なし
- 楽天回線はデータ無制限で使い放題
- au回線(パートナーエリア)は月5GBまで
- データの繰り越しはできない
- 超過すると最大1Mbpsの速度制限がかかる
- データ容量の追加は1GB500円
- 通話かけ放題(アプリ使用時)
- 海外から国内への通話かけ放題(アプリ使用時)
- 国内/海外から海外への通話はオプション要(980円/月)
- 先着300万人は1年間無料
- 事務手数料3,300円(税込)
- Rakuten Linkへの登録で3,300ポイント還元
- オンラインでの申込で3,000ポイント還元(6/30まで)
【注意点】
- どちらの回線に繋がるかは選べない
- 動作確認済みの端末以外ではRakuten Linkが正常に作動するかわからない
- 2019年10月以降・旧FREETEL・DMMモバイルユーザーは楽天回線への移行でRakuten unlimitしか選べない
現時点ではまだ1年間無料の対象内で契約することができます。もしお使いの端末が確認済みに入っていなくても、とりあえずSIMだけ契約して差し込み、使えるかどうか確認するのもいいかもしれません。
それで使い勝手が良ければ既存の契約は解約し、楽天モバイルを使えばいいし、気に入らなければ無料期間内に解約すればいいだけですしね。
今はまだ不備があるのは仕方ないでしょう。しかし、これまでキャリア3社が足並みを揃えたことしかしてこなかったところへ、大きく切れ込んできた楽天モバイルには大いに期待したいですね。
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