個人賠償責任保険という保険をご存知でしょうか?
この保険は日常に起こりうる様々なリスクに対して備えられる保険で、月額保険料は150円前後と非常に安く加入できます。
ただ、多くの場合で自動車保険や火災保険、傷害保険の特約として取り扱っていることが多いので、単体で加入したいという方にとってはどうすればいいか迷うところ。
この記事では個人賠償責任保険についての基本的な内容と、単体で加入するにはどうしたらいいか、加入するならどの保険がいいかについて言及していきます。
個人賠償責任保険とは?
個人賠償責任保険は、日常における事故などで発生する賠償責任の保障がされます。
- 自転車に乗っていて歩行者にケガをさせた
- 飼っているペットが他人に噛みついてケガをさせた
- 買い物中に高価な食器を割ってしまった
- 子どもがよその子のおもちゃを壊してしまった
一例ですが、こんなことまで対象になんの?ということまでカバーできるようになっています。
補償金額と保険料
個人賠償責任保険の補償金額は、だいたい1億円で設定されていることが多いです。それでいて毎月の保険料は150円前後ということで、少ない保険料で大きな保障が得らえる、まさに保険としての機能を備えていると言えますね。
賠償の判決例
「いやいや、1億円の補償金額とか多すぎん?」
と思った方もおられるでしょう。確かに、高額な賠償責任を負うことになる可能性は低いと言えますが、過去には以下のような賠償責任が発生した事例があります。
金額 | 事故の概要 |
9,521万円 | 男子小学生が夜間、帰宅途中に自転車で高齢女性と正面衝突。 女性は頭蓋骨骨折などの障害を負い、意識が戻らない状態となる。 |
9,266万円 | 男子高校生が昼間、車道を斜めに横断し、対向車線を自転車で直進してきた男性会社員と衝突。 男性会社員は重大な障害が残った。 |
6,799万円 | 男性が夕方、ペットボトルを片手に下り坂をスピードを落とさず走行し交差点に進入、横断歩道を横断中の女性と衝突。 女性は脳腫瘍などで3日後に死亡した。 |
5,438万円 | 男性が昼間、信号を無視して高速度で交差点に進入、青信号で横断歩道を横断していた女性と衝突。 女性は頭蓋内損傷などで11日後に死亡した。 |
いずれも自転車が絡む事故ですが、死亡や重度の障害に至るのは頻繁に起こるわけではありません。
しかし、ひとたび起こってしまったときに発生する高額な賠償請求は、ほとんどの人は支払うのが困難な金額になるので、備えておく必要があるということですね。
個人賠償責任保険の対象範囲
個人賠償責任保険が優れているのは、安い保険料で大きな保障を得られるだけでなく、本人以外の家族まで対象になるという点もあります。
具体的な対象者は以下の通り。
- 記名被保険者(本人)
- 記名被保険者の配偶者
- 記名被保険者またはその配偶者の同居の親族
- 記名被保険者またはその配偶者の別居の未婚の子
同じ家に住んでいなくても、子供が未婚であれば対象の範囲となります。僕は一人暮らしをしていますが、父親の自動車保険で個人賠償責任保険に加入しているので、別居でも対象の範囲となっているため、個人で加入はしていません。
個人賠償責任保険の加入方法
個人賠償責任保険に加入するには、主に以下の方法があります。
- 各種保険の特約として加入
- クレジットカードの付帯サービスで加入
自動車保険や火災保険、傷害保険などの特約で加入できるのであれば、保険料も安いので手っ取り早いかと思います。ただ、なかには個人賠償責任保険にあたる特約がないこともあります。(保険によって名称が違う可能性もあります)
その場合はクレジットカードの付帯サービスで加入することもできますが、所有しているクレジットカードに付帯されているかどうかは調べてみないことにはわかりません。また、クレジットカードによっては保険料が若干高いこともありえます。
だからと言って、わざわざ新しいクレジットカードを発行したり、違う保険に乗り換えたりするのは面倒ですよね。そんな場合におすすめなのが、手軽に加入できる「LINEほけん」です。
LINEほけんの「かぞく全員安心保険」
LINEではちょっとしたときの備えとして様々なほけんを用意していますが、そのなかで個人賠償責任保険にあたる保険が「かぞく全員安心保険」です。
保険料は月額200円で補償金額は1億円、もちろん家族も対象の範囲内です。損保ジャパンが引受会社となっているので、LINEの保険とか大丈夫?と心配する必要もないでしょう。
今ではどこの個人賠償責任保険でもあるかと思いますが、示談交渉の代行サポートもついているので、交渉は専門家にお任せできて安心です。
申込はLINEほけんの「家族」から「かぞく全員安心保険」へ進むことで可能です。
補償対象外の例
LINEほけんで説明されている補償対象外の例について記載しておきます。
自動車事故 | 自動車、原付等の車両の所有、 使用、管理に起因する賠償責任 |
職務での事故 | 業務で自転車を利用し、走行中に起きた賠償事故など |
レンタル品の損傷 | 被保険者が所有する財物や、借り受けて使用、 管理する財物の損壊 |
これらはLINEほけんに限らず、他の個人賠償責任保険でも同様かと思われます。
入院補償も付いている
一応、かぞく全員安心保険にはケガによる入院補償も付いています。補償金額は日額500円と少なく、こちらは加入者本人に限定されます。
まぁ保険料は他の個人賠償責任保険と遜色ないわけですから、オマケとして考えればむしろ上等なサービスではないでしょうか。
楽天銀行の「個人賠償責任プラン」
今回の記事について調べているうちに、楽天銀行の口座を開設すれば、個人賠償責任保険へ加入できることがわかりました。
保険料は月額320円で、年払いだと3,470円。補償金額は1億円。もちろん家族まで対象となり、示談交渉は国内のみ対象となっています。引受会社は楽天損害保険株式会社です。
こちらはケガによる入院補償はありませんが、死亡・後遺障害時に100万円の保険金が支払われます。ささやかな生命保険ですね。ただし、加入者本人に限ります。
基本的にはLINEのかぞく全員安心保険と同じなので、どちらかで加入しておけば問題ないと言えるでしょう。
楽天をよく利用する方なら、楽天銀行でポイントが多く貰えるようになる可能性もあるので、こちらを優先させてもいいかと思います。
クレジットカード付帯の個人賠償責任保険のおすすめ
個人賠償責任はクレジットカードの付帯サービスでも加入できますが、ほとんどが障害保険などがセットになっていて保険料が割高になります。
そのなかで保険料が安いクレジットカードは以下のふたつがあったので、紹介しておきます。
楽天カード(個人賠償プラン)
楽天カードは審査が通りやすく、年会費無料でほとんどの人が申請すれば発行できるかと思います。保険料は月額280円で、年払いだと3,120円と若干お得。
補償金額は個人賠償が1億円、死亡・後遺障害には423万円となっています。ケガの補償ではなく、ちょっとした生命保険がセットになっていますね。その分、保険料はLINEに比べて高いです。対象は家族全員に、示談交渉(国内のみ対象)まで付いています。
また、楽天カードでは新規申込者に楽天スーパーポイントが5,000ポイント(たまに7,000ポイント)貰える特典もあり、とりあえず持っておくにも悪くないかと思います。
- 保険料…月額280円・年払い3,120円
- 補償金額…個人賠償1億円・死亡後遺障害423万円
- 家族全員・示談交渉(国内のみ対象)あり
- カード発行で楽天スーパーポイントが貰える
- 引受会社…三井住友海上火災保険
- 審査が甘く発行しやすい
- 年会費は無料
JCBカード(日常生活賠償プラン)
JCBカードでは、トッピング保険という名目で様々な保険が用意されており、そのなかで個人賠償責任保険にあたるのが「日常生活賠償プラン」です。
保険料は月額150円で補償金額は1億円、死亡・後遺障害では100万円となっています。対象は家族まで、示談交渉は付いているかと思いますが、ハッキリと確認できなかったので申込の際にはご確認しておいてください。
死亡・後遺障害はとくに必要ではないケースが多いかと思うので、楽天カードより保険料が安く、発行できるのであればこちらがお得ですね。ただし、年会費無料のカードは39歳までしか申し込みができないようです。
- 保険料…月額150円
- 補償金額…個人賠償1億円・死亡後遺障害100万円
- 家族全員が対象
- 示談交渉あり?
- 引受会社…損害保険ジャパン日本興亜
- 年会費無料のカードの申込は39歳まで
個人賠償責任保険に加入していれば自転車保険は不要
自転車事故による高額な賠償請求に備えるため、自転車保険への加入が義務化される地域が増えてきました。
自分の地域は義務化されていないから関係ないと考えるのは間違いで、自転車に乗る方はいつ事故を起こすか分からないことを頭に入れておく必要があります。
ただし、自転車保険加入の義務化というのは言葉のあやというか、正確ではありません。正確には、自転車事故で発生する賠償責任に備えられる保険への加入が義務化されたということです。つまり、個人賠償責任保険ですね。
自転車保険というのは主に、個人賠償責任保険に自分の怪我の補償がある医療保険がセットになった保険を言います。そのため、自分の怪我の補償はいらないのであれば、自転車保険ではなく個人賠償責任保険に加入していれば十分なのです。
宣伝の仕方があからさまに自転車保険という保険に加入しなければならない…という感じなのはいただけませんね。

個人賠償責任保険の単体加入のおすすめは「LINEほけん」か「楽天銀行」です!
個人賠償責任保険は知らないうちに特約として加入しているといったことも考えられるので、保険に加入している方はまず契約内容を確認してみましょう。
もし家族の誰も加入していないようであれば、間違いなく個人賠償責任保険には加入しておいたほうがいいと言えるくらい、保険としての機能は優れています。
単体で加入できるところはそう多くありませんが、LINEほけんのかぞく全員安心保険もしくは楽天銀行の個人賠償責任プランは、加入のしやすさと保険料の安さが抜群です。
ぜひ、自分の生活を守るためにも万が一に備え、個人賠償責任保険への加入をしておきましょう。
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