ここ数年、つみたてNISAやiDeCoの知名度上昇により株式投資に興味を持つ方が増えてきたように思います。この記事をご覧になっているということは、あなたもその一人ではないでしょうか?
そんなあなたが考えていること…それは「株式投資ってギャンブルじゃないの?」
これが私のメンタリズムッ!!
…と冗談はさておき、たしかに一般的にイメージされる株式投資はギャンブルと言えます。しかし、それは本来の株式投資とは別物で、本来の株式投資はギャンブルではありません。
いきなり意味不明なことを言っているように思われそうですが、この記事を読み終わる頃にはその意味もわかっていただけると思います。
なので、長いけど最後まで読んでね。
株式投資がギャンブルではない理由
昔に比べてさまざまなサービスや商品が生まれ、世の中はとても便利になりました。うまい棒は美味しいし、ブラックサンダーも美味しい。なんて良い世の中なんだ…
そんなサービスや商品を提供するのは、主に株式会社ですよね。
日本ではサラリーマンの割合が約87%とも言われるように、多くの人が大小さまざまな株式会社に勤め、仕事を通じて世の中に貢献しています。
そんな株式会社ですが、株式会社を立ち上げるために出資してくれる人を株主と呼びます。株主は株式会社へ出資し、株式会社はその資金をもとに事業を行い利益を出せるよう努めます。
株主はそこで得られた利益の一部を還元してもらい、両者はwin-winな関係となる。株式投資とは本来、このような流れで行われるものなのです。
iPhoneを作っている会社も、マスクを作っている会社も、ポテトチップスを作っている会社も、うまい棒を作っている会社も、そのほとんどが株式会社。もはや、世の中は株式会社がなければ回らないと言っても過言ではないですが、その株式会社には出資してくれる株主が必要。
つまり、株式投資とは間接的に世の中を豊かにするための行為で、世の中になくてはならないものだと言えるでしょう。
株式投資がギャンブルなら
世の中を豊かにするために必要な行為をギャンブルと呼ぶのなら、世の中の仕組みはギャンブルで成り立っていると言えますね。
そこで働くサラリーマンもギャンブルの対象で働いていることになりますが、そのように考える人はいないでしょう。このように考えると、株式投資がギャンブルではない理由も理解しやすいのではないでしょうか。
では、なぜ世の中では多くの人が株式投資はギャンブルだと勘違いしているのか。その理由は至ってシンプルです。
間違ったイメージによって作られた株式投資
株式投資がギャンブルだと勘違いされる理由は、メディアの印象操作によるものです。あなたは株式投資と聞くと、どのような映像が頭に思い浮かびますか?
パソコン画面に映る株価チャートを見ながらマウスをカチカチとクリックして売買を繰り返す…このような映像が浮かんだのではないでしょうか?
こ、これが私のメンタリズムッ!!
…冗談はさておき、実は僕の(数少ない)友人に聞いても、ほぼ全員がこのようなイメージを持っていました。
実際、世に出回っている株式投資の関連本の多くは、そのイメージ通りの株式投資について解説されています。テレビでもこのような手法で大儲け・大損した人などを取り上げがちですね
なぜなら、そのほうが視聴率が取れるからです。メディアの目的は正しい情報を伝えるのではなく、いかにして注目を集めるか…ということはご存知でしょう。
テレビや雑誌・書籍でもこのような情報が溢れているため、株式投資をギャンブルと勘違いしてしまう人が増えるのも仕方ないですね。
このような手法はギャンブルと言えるので、僕はあまりおすすめしません。ただ、先ほども言ったように本来の株式投資はギャンブルではなく、短期的な売買を繰り返す手法は株式投資とは言いません。
短期的な売買を繰り返す手法は株式投資とは言いません。大事なことなので2回言っておきました。
では、より理解を深めるために、そもそもギャンブルとはなにか?ということについてお話していきます。あーゆーれでぃ?
ギャンブルとは?
ギャンブルはわかりやすく言うと「金品を賭けて勝負をすること」ですね。
ただ、この場合だとコインの裏表を当てるゲームで「参加費100円・賞金500円」でもギャンブルとなりますが、実際にはこれだとギャンブルは成立しません。
なぜなら、この勝負は1/2の確率で当たるのに、参加費は賞金の1/5からです。確率通りに2回に1回当たれば、200円賭けるたびに500円が貰えます。参加回数に制限がなければ勝負するほど自分が儲かるので、どこかでやっているなら僕は喜んで参加しますね。
そんな勝負をギャンブルと呼ぶ人はいないでしょう。つまり、ただ金品を賭けて勝負をするだけではギャンブルとは言えません。
明確にギャンブルを定義するのは難しいですが、なんとなく「勝てるかどうかわからない勝負」をギャンブルと捉える人は多いでしょう。
実際にそれをギャンブルと呼んでもいいでしょうけど、個人的に考えるギャンブルの定義とは「ゼロサム(ゲーム)」もしくは「マイナスサム(ゲーム)」であることです。
ゼロサム
ゼロサムとは、参加者(プレーヤー)が投じた資金と配分される賞金の合計が「±ゼロになる仕組み」を言います。
例えば、友人らと麻雀をしたとき、以下のような結果になったとします。
- A君は5,000円勝ち
- B君は1,000円勝ち
- C君は2,000円負け
- D君は4,000円負け
勝ち額・負け額はバラバラですが、差し引きでは±ゼロとなっていますね。ここで儲けた人のお金は、どこかから湧いて出たものではなく、負けた人のお金を頂いています。
このように、儲けた人がいる一方で損をする人がいる。その金額の合計は±ゼロになることをゼロサムと言います。
友人同士の麻雀なら、ごく稀に全員が±ゼロになることもあるかもしれません。ただ、基本的には勝ち組と負け組に分かれる可能性が高く、ギャンブルと言える勝負ではないでしょうか。
マイナスサム
ゼロサムが理解できればマイナスサムも簡単ですね。マイナスサムは、参加者が投じた資金と配分される賞金の合計が「マイナスになる仕組み」です。
合計がマイナスになる理由は、その勝負の場を提供する「胴元」が存在するから。一般的なギャンブルである競馬やパチンコなどが、マイナスサムの良い例です。
競馬は参加者が賭けたお金から約20%を胴元であるJRAが徴収します。残りの80%を配当金として馬券の的中者へ返還するため、馬券で勝った人は馬券で負けた人のお金を頂いているということ。
つまり、マイナスサムでは基本的に胴元が儲かります。競馬でどれだけ超高額驚愕高配当が出たところで、その払戻金は馬券を外した人の馬券代から出るため、JRAは痛くもかゆくもないんですよね。
ただし、JRAも運営するための経費が必要なので、参加者が馬券を購入してくれないと赤字になります。
パチンコやスロットも同様で、大連チャンして大勝ちしたとしても、そのお金は一見パチ屋から貰っているように思えて実は他のユーザーが負けたお金なんです。
そして、ごく一部の人を除いて、競馬もパチンコもスロットも、競輪も競艇もギャンブルと呼ばれるものは基本的に胴元が勝つようになっているので勝てません。
ごく一部の人というのは、いわゆるプロと呼ばれる存在。胴元と一部のプロが勝つ仕組みについては別の記事で解説しているので興味があればご覧ください。(最後にリンクあり)
実は、このマイナスサムで多くの日本人がハマっていることがあります。それが、僕の夢あなたの夢、宝くじです。
競馬は馬券の購入代金の約80%をJRAが手数料として徴収していると言いましたが、宝くじでは国が約55%も徴収してるのです。つまり、僕たちに払い戻される金額は、購入金額の半分以下ということ。
他のギャンブルと比べても、これは超絶ボッタクリ商法と言えるレベル。そのぶん、宝くじは賞金が大きいため、夢があっていいよねぇ…なんて言わせねぇよ。
賞金が大きくても当選率が低すぎますから、買わなきゃ当たらない!なんて言ってる場合じゃありません。買っても当たりませんから!!
株式投資はゼロサム?マイナスサム?
ここで株式投資の話に戻りましょう。
では、株式投資はゼロサムになるのか、マイナスサムになるのか、もしくはどちらにも当てはまらないのか…どう思われますか?
一般的にイメージされる株式投資(短期売買)は、基本的にゼロサムとなります。
短期売買では参加者の資金が売買のたびに行き来しているだけのものであり、儲けた人がいれば損をする人もいる。ただ、実際には証券会社が売買手数料を取っているため、マイナスサムと言ったほうが正確かもしれません。
2017年にブームとなった仮想通貨や、以前から人気のあるFXも基本的にはゼロサム、手数料を考慮するとマイナスサムと言えます。
仮想通貨やFXは、顔も知らない相手とお金の奪い合いをしているだけで、1億円儲けた人がいる場合、どこかで同じだけ損をしている人が出る仕組みになっているのは変わりません。
もちろん、一人が1億円損するわけではないですよ。少数の大勝ち組と大多数の負け組がいるのです。
一時期、「仮想通貨が儲かる!」と口座開設を勧める人が溢れかえっていましたが、あれは仮想通貨が儲かるのではなく、実は口座開設を勧める人がノーリスクで儲かるもの。
なぜなら、彼らがブログなどで口座開設を勧め、その広告から登録し、一定の取引をしてもらうだけで、紹介者には多額の紹介料がもらえる仕組みになっているから。いわゆる、アフィリエイトです。
その紹介料はどこから出ているかというと、「あなたが取引のたびに支払う手数料から」という事実を知っておきましょう。どれだけ良いように紹介したところで、あなたが行う株式投資・仮想通貨・FXはギャンブルなので、あなたが儲かる保証は何もありません。
マイナスサムでは負ける可能性が高いのは間違いなく、あなたが損をしても口座開設をすすめた人は何ひとつ責任を取ってくれないので気を付けてください。
本来の株式投資とは?
一般的なイメージの株式投資はギャンブルである。しかし、本来の株式投資はギャンブルではない。
なぜなら、本来の株式投資はゼロサムでもマイナスサムでもない、参加者全員が利益を享受できる(可能性がある)プラスサムだからです。

そんな夢みたいな話があるのか?!と思いましたよね?これは冗談ではなく、真実です。
世界経済はこれまで日々成長を続け発展してきましたが、その中枢を担っているのは紛れもなく株式会社。経済が成長すれば株式会社の株価が上がり、そこへ出資している株主の資産も増加します。
ゼロサムやマイナスサムと大きく違う点は、経済が成長すれば多くの株式会社の価値が高まり、全体のパイが増えるということ。
もともと「10」だったのものが成長して「50」になる。すると、10人が「1」ずつ出資していた資産が1人あたり「5」に増える。このようにして、プラスサムでは全員が恩恵を受けることができるのです。
対して、短期売買のようなゼロサムやマイナスサムは「10」を奪い合うだけのもので、本来の株式投資とはかけ離れた行為であることが分かるでしょう。
ただ、なかには経営が上手くいかずに倒産してしまう企業もありますよね。
将来有望だと考えていても、その通りに企業が成長してくれるとは限りません。そうすると、企業の成長へ投資する行為であっても損をします。
それだと結局ギャンブルとさほど変わらんな…と思いますよね。だって、儲かる可能性はあっても損をする可能性もあるんですから。
たしかに、確実に儲かるという方法は株式投資にはありません。しかし、長期的に考えること、対象を広く分散することを心がければ、損をする可能性を限りなく低くできるのが株式投資です。
長期的に考える
経済はこれまで成長をしてきましたが、短期的には停滞・減速することもあり(いわゆる不況)、延々と右肩上がりに成長し続けることはありません。ただし、長期的に考えればそれもちょっとした出来事のひとつに過ぎないのです。
これは米国のNYダウ平均株価の長期的なチャートです。

米国でも過去に世界恐慌やITバブル・リーマンショックなどにより、何度かの不況が訪れています。短期的=その当時の出来事としては、それはもう悲惨なものだったかもしれません。
しかし、これまでの株価の成長を見ると、2008年頃のリーマンショックですら些細な出来事でしかないことがわかるでしょう。短期的には暴落しても、その後はそれ以上の株価に成長していますから。
つまり、株式投資は短期的な株価の変動に一喜一憂せず、長期的な視点で考えることが重要なんです。
米国株は今なお成長を続けていますが、不況時に慌てて株式を売却してしまうことで多くの人は損をしてしまいます。しかし、その時期を耐えればいずれ不況は回復し、株価も再び上昇するという歴史を繰り返してきました。
あなたが投資を始めた途端、その歴史が崩れて永遠に不況が終わらない…と考えるほうが非現実的ではないでしょうか。
対象を広く分散する
投資の基本は分散投資と言われます。ひとつの企業に集中して投資をすると、大きな利益を得られる反面、大きく損失を被る可能性があるからですね。
もし、20年前に米国のアマゾンに投資をしていれば、今頃とんでもない富を手に入れることができました。しかし、20年前にアマゾンが今のようなモンスター企業へ成長していることを、どれだけの人が予測できたでしょうか?
アマゾンが大躍進した一方で、多くの企業は日の目を見ることなく衰退しているのも事実です。自分が投資した企業がどちらになるか…後者になる可能性が高いのは言うまでもないでしょう。
では、企業を見極める力がない僕のような凡人はどうすればいいのか?
それは、成長する国そのものへ投資をすることです。
米国全体では衰退する企業以上に成長する企業が多いため、その恩恵を受けることができるのは先ほどのチャート通りです。あれこそ全体のパイが増えるプラスサムの実例ですから。
現在は投資をする環境も以前に比べると遥かに良くなっており、誰でも米国企業に投資ができます。「投資信託」や「ETF」という商品を通じて、僕たちは簡単にプラスサムの株式投資をすることが可能な時代になったのです。
僕が目指す究極の株式投資
さて、本来の株式投資がギャンブルではない理由について解説してきましたが、納得していただけたでしょうか。
ただ、未来は不確実である以上、確実に利益が出るとは言い切れないという意味では、思想はどうあれ株式投資はギャンブルに近いかもしれません。
ところで、僕には目指してる究極の株式投資があります。それは、保有株を一切売却することなく、生涯持ち続けるということ。
いやいや、売却せな利益もへったくれもないやろこのトーシロゥが!と思いますか?
株式投資では、株を保有しているだけで配当金が貰えます。それは株を保有している限り、永続的にです(企業が配当を止めれば別)。
すると、年金と同じように生涯にわたる収入源に成り得るので、それだけで生活ができるのであれば、株価が上がろうが下がろうが関係ありません。
つまり、株を売らないので損をすることもなく、何歳まで生きてもお金の心配をせずに済むということです。
僕が目指しているのは、このような永続的に収入を生み出してくれる資産を増やすことであり、最も身近で頼りになるのが株式投資だと気付きました。このとき、ワイ32歳。
正直、20代で気付いていれば…とも思いますが、30代前半で気付けたことをプラスに捉え、今後も株式投資を通じて資産形成に励もうと思います。
まとめ
長期的に投資をするには、その対象が今後も成長していくことが前提です。そのため、僕は日本株ではなく米国株を選びました。
つみたてNISAやiDeCoといった、投資をするために有利な制度もありますが、まだまだ浸透しているとは言えない状況です。
やはり、株式投資はギャンブルというイメージが強いんでしょうね。なんでも、つみたてNISAの口座開設数より、仮想通貨の口座開設数のほうが多いらしいです。
仮想通貨なんて、圧倒的ギャンブルなんですが…日本人はコツコツ真面目に!なんて、どこの誰が言ったのでしょうか?(一同大爆笑)
米国株投資について解説しています。

米国株のインデックス投資について解説しています。

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