老後の対策としてiDeCoへの加入者が少しずつ増えているようですが、それでも全体的に見れば加入者は少数派です。
iDeCoはその制度上、誰でもとりあえず加入すれば得するというものでもないので、もっと制度の認知度と理解度を深めないといけないと思いますが、なかなか難しい問題かと思います。
そんなiDeCoですが、2018年から携帯事業の大手であるauが参入しています。知名度としては抜群ですから、これからiDeCoを始めようとする人の中にはauで…と考える人もいるかもしれません。
しかし、結論から言うとiDeCoをauで始めるのはお勧めできません!
ここではiDeCoについて最低限の知識はあるものとして話をしていきますが、もしiDeCoそのものについて理解できていないなら、こちらの記事をご覧になってください。

auのiDeCoがお勧めできない理由
auのiDeCoがお勧めできない最大の理由は、資産形成のためには他の金融機関のiDeCoを利用するほうが向いているからです。
iDeCoを利用できる金融機関は多々ありますが、お勧めできるのはSBI証券・楽天証券・マネックス証券のいずれかです。この3社なら大きな差はないのでどれを選んでも問題ないと言えます。
一応、弱小ながらもブログを運営している身としては少しでも収益に繋げたいので様々な案件を紹介したいところですが、自分が良いと思えないものを紹介してまで収益化したいとは考えていません。
そのため、auのiDeCoも読者の利益を優先すればお勧めするべきではないと考えています。
auのiDeCoのメリットはメリットとは言えない
auのiDeCoについて調べると、お勧めするために様々なメリットを挙げている記事があります。
そのひとつに、管理運用手数料が無料というものがありますが、確かに金融機関によっては必要以上の手数料が取れれるところもあり、その点に関してはauのiDeCoは良心的です。
しかし、それは先ほど挙げた3社の金融機関も同様で、auだけが特別というものではありません。最安水準の手数料で横並びということです。他社との比較をせずに無料をメリットとして挙げているような記事には注意が必要です。
他のメリットとして、スマホひとつで節税計画や運用状況のチェックができるといったことが挙げられています。が、ぶっちゃけiDeCoは長期的な運用を前提としているので、そもそも逐一状況をチェックする必要がありません。
他の金融機関でもスマホで操作はできますから、これも大したメリットとは言えないでしょう。僕はiDeCoの資産状況なんて気が向いたときにしかチェックしませんからね。
また、auのiDeCoでは日本人が大好きなポイントが貯まる!ということをメリットに挙げられますが、目的をはき違えてはいけません。
iDeCoを始める最大の目的は老後の資産対策のはず。決してポイントを貯めるためではないです。ポイントはあくまでオマケであって、ポイントが貯まるならauのiDeCoにしようか…なんて考えるのは大きな間違いですよね。
もちろん、他の要素も問題なくポイントまで付いてくるとなればラッキーですが、auのiDeCoは決してそうではありません。
最大の目的である資産運用において、auのiDeCoはSBI証券・楽天証券・マネックス証券に大きく後れをとっていると言わざるを得ないのです。
auのiDeCoで運用できる商品
auのiDeCoで運用できる商品は、元本保証の定期預金、元本変動の商品として「auスマート・ベーシック(安定)」「 auスマート・ベーシック(安定成長)」「auスマート・プライム(成長)」 「 auスマート・プライム(高成長) 」があります。
このうち、スマート・ベーシック(安定・安定成長)の投資先と比率は以下の通り。
資産 | 安定 | 安定成長 |
国内株式 | 15% | 20% |
国内債券 | 65% | 50% |
先進国株式 | 5% | 10% |
先進国債券 | 15% | 10% |
どちらも債券比率が高く、さらに投資先は国内がメインです。これが資産運用としては致命的で、おそらく長期的に運用してもほとんど効果がないと思われます。
一方、スマート・プライム(成長・高成長)の投資先と比率は以下の通り。
資産 | 成長 | 高成長 |
国内株式 | 25% | 30% |
国内債券 | 35% | 20% |
海外株式(新興国含む) | 20% | 35% |
海外債券(新興国含む) | 20% | 15% |
こちらは債券比率がやや下がり、投資先も海外比率が高めになっています。長期的な運用をするならせめてこれくらいの海外資産へ投資をしておきたいところですが、スマート・プライムの問題点は信託報酬(手数料)が高すぎること。
他社にはもっと運用益が見込めて信託報酬が安い商品がたくさんありますから、わざわざ資産運用に不利な商品しかないauのiDeCoを利用する必要性が見当たりません。
まとめ
iDeCoは長期運用が基本となるので、運用商品の選択が非常に重要となります。iDeCoの目的を考えれば、auのiDeCoが最適ではないことくらい、少し知識がある人ならすぐにわかります。
にもかかわらず、ネットで検索するとFP(ファイナンシャル・プランナー)と呼ばれるお金の専門家がauのiDeCoを勧める記事がたくさん出てきますね。それも検索結果の上位に…
これだけでもわかるように、お金の専門家と呼ばれるFPでも信用に値しないレベルの人は多いです。面倒かもしれませんが、自分の大切な資産を守るためには自分で情報の真贋を見抜く力を付けるしかありません。
もちろん、僕の言っていることが絶対に正しいとも言い切れないので、違うブログなども調べて知識を深めていっていただきたいと思います。
iDeCoの手数料は金融機関によって異なります。

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SBI証券でiDeCoを5年運用した経過報告です。

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